新聞に掲載
朝日新聞に「HAMLET」の記事が掲載されていました!2014、7,10
子どもたち、劇場においで
もうすぐ夏休み、子どもを意識した企画があちこちで目立つ時期だ。中には、劇場という場や演劇を子どもたちに向けて開いていこうと、長期的に取り組む劇場や集団もある。背景には、未来のつくり手や観客を育てたいという願いがある。
■名作、2時間に圧縮
古典の面白さをわかりやすく伝えたい――。そんな思いから始まった「子供のためのシェイクスピア」シリーズが20年目を迎えた。名作の数々を時に大胆に省略、再構成するのが大きな特徴。今夏の「ハムレット」は最終場面から始まり、回想として物語を追う仕立てだ。原作を圧縮し、約2時間にまとめている。
第1回から出演し、今は脚本・演出も担う山崎清介は「せりふという葉を刈り込むことで、ストーリーという幹をはっきり見せる」と狙いを語る。
狂言回し役のシェークスピア人形、出演者が手拍子で刻むリズム。楽しい仕掛けがいっぱいだが、山崎は「演技は子どもを意識しない」と言う。怒りや嫉妬といった負の面も含め、人間の感情の幅や豊かさを伝えることが大切と捉える。
男が女を演じたり、一瞬で場面が変わったり。シリーズを始める前は、演劇特有の約束事は「何度も見るうちに勉強していくもの」と思っていたという。「でも、全然そうじゃなかった。子どもたちは生まれた時から想像力を持っているんですね」
だから、大規模な舞台装置も使わない。机と椅子の組み合わせが、玉座にも道にもなる。「両方とも学校の教室にある。これで芝居ができるんだと、まねをしてくれたらうれしいな」